技術開発ではなく、人とトラックの信頼を開発する


実験総責任者安藤 寛信


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事故を起こさない、予防安全発想

これまでのトラック開発というのは、事故時の生存空間の確保、相手の被害軽減といった、主に事故後の対策をしてきました。それは十分にやり尽くしたと考えております。今回の新型スーパーグレートの開発で目指したのは予防安全。もう一歩進んで、事故を起こさない車です。これは、さらに進んだ安全性の概念だと思います。どうしたら事故を起こさない車をつくれるか、そこに我々は情熱を注ぎ込んできました。今回搭載した一番の目玉機能としましては、次世代のアクティブ・ブレーキ・アシスト。最先端の自動ブレーキシステムです。システムといっても、このまま走ると事故に至るのか至らないのかという判断がすごく難しい。必要な機能は確実に維持しつつ、絶対に誤作動をさせない、いかに100%信頼できる機能を構築するか、長い挑戦が始まりました。

試験走行500万km、地球100周以上

トラックの使用環境に近いところに車を持って行き、実際に使用し、本当に何も起こらないことを走らせることで確認する。従来はある程度、開発の後段階で完成度が上がってきてから走らせ始めますが、今回は車ができたらすぐに走らせ始める。機能試験と耐久試験をしながら、同時に距離を走り使用環境にさらすことで、我々が想定できていない不具合、環境、使用条件を見つけ出し、起こりうる問題点を全てつぶしていくという作業をしました。実際に走り始めてから試験段階で2年ぐらい、全部で500万kmぐらい走っております。想像がつかない距離だと思いますが、地球100周以上です。私も毎週ハンドルを握っております。今後もデーター集積を継続していく予定です。これからも走り続けます。

完全に一歩、二歩先を進んでいる

もうひとつ目玉として搭載した機能がアクティブ・アテンション・アシスト。眠くなると運転がふらふらしてきます。今までは、挙動がおかしくなるまで警告が出ませんでしたが、ドライバーの目や顔の動きをモニターすることでカバーできる範囲を広げています。どんな熟練ドライバーでも気を抜く瞬間というのは必ずあります。それを検知してドライバーに知らせるシステムです。また、搭載したのは先進的な技術だけではありません。車の基本的な性能にも更に磨きをかけました。例えば操縦安定性。トラックの運転は長時間に及びますので高速道路を走るだけでもすごく疲労します。操縦安定性を高め、ドライバーへの負荷を減らすことでも事故のリスクを下げることができます。絶対に事故を起こさない車をつくりたい。もう、完全に一歩二歩先をいっていると思っています、そこは間違いなく言えます。

挑んだのはAMT化ではなく、その精度

新型スーパーグレートでは全車AMT“ShiftPilot”を採用しました。どんなドライバーでも同じ運転、同じ燃費を出せる、そういう車をつくろうとすると、AMTしかこたえがない。本当に昔は大型トラックでオートマになるなんて考えたことがなかったです、それが一度ShiftPilotに慣れると、マニュアル車に乗りたくなくなるぐらいです。プロのドライバーが自分の手足で無意識にやっていることを、いかに同じようにコンピューターにやらせるか。それができないと逆にプロには受け入れられない。AMTの品質、パフォーマンスをプロのドライバーに満足してもらえるところまでつくり込むということが我々の一番のチャレンジでした。これから自動運転の時代がくる、トラックにもくる。むしろトラックの方が先にくるのではないかと考えておりまして、AMT化は自動運転に向かうための一つのステップだとも考えています。どんな未来にも我々は挑戦を続けます。